人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算の診療報酬への収載と医師・看護師以外のストーマ装具交換に関するお知らせとお願い(平成24年5月17日改訂)

日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 理事会

1.人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算の診療報酬の収載について
 本年度の診療報酬改訂で、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会(JSSCR)より申請されていた“人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算”が保険収載されます。これには施設基準があり、下記のごとく医師・看護師に関する要件が示されています。施設基準の要件としては、ストーマに関する十分な経験を有する常勤の医師と5年以上の急性期看護に従事しストーマに関する適切な研修を修了した常勤の看護師が必要です。適切な研修とは、厚生労働省の平成24年3月30日の通知“疑義解釈資料の送付について(その1)”の問171では、日本看護協会認定看護師教育課程”皮膚・排泄ケア“及び日本ストーマリハビリテーション学会の周手術期ストーマケア研修(20時間以上)の研修になりますことをお知らせします。現在JSSCRでは、ストーマの認定制度を構築中であり、さらに日本大腸肛門病学会と合同で“消化管ストーマ造設の手引き”を作成中で年内を目途に発刊を予定しています。オストメイトのQOL向上に貢献できるよう、これらを中心に適切なストーマ造設とケアが行われますよう会員の皆様にお願い申しあげます。

注:日本ストーマ・排泄リハビリテーション(旧日本ストーマリハビリテーション学会)の周手術期ストーマ研修(20時間)とは、日本ストーマ・排泄リハビリテーションのHP上に掲載されている講習会を指す。
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2. 医師・看護師以外のストーマ装具交換に関して
 昨年の厚生労働省の通達“合併症がなくストーマが安定している場合で専門的な管理が必要とされない場合にはストーマ装具の交換は医療行為にはあたらない”により、医師・看護師以外のストーマ装具の交換が可能となりました。これには、“ストーマ装具交換には教育を受けたものが望ましい”とも通達されており、現在各地で種々の団体により講習会が開催されはじめております。JSSCRでは、全国で標準化した講習が行われるために、指針として講習のためのGIO/SBOを作成しJSSCRのHPにこれをアップしており、さらに講習の受講証をダウンロードできるように作成中です。講習の講師をされる先生方におかれましては、これに従い講習を行い受講証を発行し、受講者のリストを各地域のストーマ講習会に提出していただくようお願い申しあげます。

記:
K939-3 人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算 450点
  注 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、手術の前に療養上の必要性を踏まえ、人工肛門又は人工膀胱を設置する位置を決めた場合に算定する。
 人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算は、人工肛門造設後の合併症等の予防のため、術前の画像診断や触診等により、腹直筋の位置を確認した上で、適切な造設部位に術前に印をとけるなどの処置を行うことをいい、人工肛門のケアに従事した経験を5年以上有する看護師等であって、人工肛門のケアにかかる適切な研修を修了したものが、手術を実施する医師とともに、術前に実施した場合に算定すること。

第80の3 人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算
1 人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算に関する施設基準
(1)人工肛門又は人工膀胱造設に関する十分な経験を有する常勤の医師が配置されていること。
(2)5年以上の急性期患者の看護に従事した経験を有し、急性期看護又は排泄ケア関連領域における適切な研修を修了した常勤の看護師が配置されていること。なお、ここでいう急性期看護又は排泄ケア等に係る適切な研修とは、次の事項に該当する研修のことをいう。
ア 医療関係団体等が認定する教育施設において実施され、20時間以上を要し、当該団体より修了証が交付される研修であること。
イ 急性期看護又は排泄ケア関連領域における専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること。
2 届出に関する事項
(1)人工肛門・人工膀胱造設術前処置加算の施設基準に係る届出は、別紙2(下記参照)様式73の3を用いること。
(2)人工肛門又は人工膀胱造設に関する十分な経験を有する常勤の医師の勤務状況について具体的にわかるものを添付すること。
(3)常勤看護師について、急性期看護又は排泄ケア等に係る適切な研修を修了していることが確認できる文書を添付すること。

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